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『わかったつもり』

◎ 読解力がつかない本当の理由
”わかったつもり”という状態が、「読み」を深める大きな障害となっているということを、例文を使って、さまざまな”わかったつもり”が紹介してある。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)
西林 克彦 (2005/09/20)
光文社

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”わかったつもり”とは、後から考えると不十分だったというわかり方のこと。通常、一読後には”わかった”という状態になる。(”わかった”というのは、とりあえず”わからない”ことがない状態)

その後、質問されると・・ 
「えっと・・ たしか?? ○○だったような・・」と、あいまいで大雑把な答えとなる。読んだ後は、たしかに”わかった”と思ってたのに、改めて考えるとよくわかってない。⇒”わかったつもり”

質問されなければ、”わかった”ままなのか・・・ 

この一読後の”わかったつもり”は、単に記憶力の問題ではなく、文脈によるミスリードが原因で起こる。ある言葉(文脈)を読むことで、連想(スキーマが活性化)して「ああ、これは〜 こんな話だな」と、記憶の中の都合のよいストーリーと関連付けしてしまう。

”わかったつもり”には、「文章の構成に読み手が惑われた”わかったつもり”」や「読み手の既存のスキーマによる”わかったつもり”」がある。

では、”わかったつもり”を壊すには、どうすればいいかというと・・  まずは、自分は”わかった”と思っているが、”わかったつもり”の状態であると、明確に認識すること。そこから、読んだ文章についての「まとめ」をしてみて、その「まとめ」が、どの”わかったつもり”なのかを見極め、壊していくことで理解が深めていく。

理解するというのは・・ ”わかった”状態・・

えっ!? ちょっと待って!
”わかった” = ”わかったつもり” だから・・ 

おいおい! また繰り返しか!?

ひとつ”わかったつもり”を壊すと、新たな疑問点や矛盾点がでてくる。それらの疑問点や矛盾点を解決していくと、また”わかった(=わかったつもり)”になる。それをまたまた壊すという作業を繰り返していくと・・・

終わりのない作業ですね。これは、まさに人生ですな〜 壁を越えたかと思ったら、また次の壁が・・ 読みが深まる=成長することかもしれないな。

最後に、気になったところを・・
すなわち、私たちには、私たちが気に留め、それを使って積極的に問うたことしか見えないのです。それ以外のことは、「見えていない」とも思わないのです。この意味においても、探求は果てしないものであると考えて、できるだけ開かれた姿勢を保っておきたいものと思うのです。
『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) / 西林 克彦』

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